オススメのジンバルってなに?(敢えてタブーに触れますw)
「オススメのジンバルを教えて下さい!」
こう聞かれて一番困るのは、まず皆さんが「どのような映像を撮りたいのか?」ということが今ひとつ分からないんですよね。いろいろ伺ってみると、あれこれ撮りたいものが多いなぁ…という印象で、今ひとつフォーカスし切れてないように思います。
まず皆さんが明確にすべきは、
・いま一番撮りたいものは何なのか?
・ジンバルで表現したいものは何なのか?
・どこまでの技術レベルを望まれているのか?
そして、極論を言うと「本当にジンバルでなければ撮れないものなのか?」ということなんですね。
そうすると、
「では、タケルさん的にはどれが一番いいジンバルだと思いますか?」
と聞かれます…^^;
というわけで前置きが長くなりましたが、今回はジンバル講習の受講者をはじめ、ウェブサイトや各種SNSから一番ご質問いただく、ある意味タブーとも言える内容に触れますね。(どのメーカー・機種もオススメしたくはないので…)
以下、3点に分けて書いてみます。
1)今はDJI RS2(RSC2)がベストな選択
2)私がRS2(RSC2)を使う理由
3)とはいえ完璧なジンバルとは言えない
1)今はDJI RS2(RSC2)がベストな選択
先に結論!
強いて挙げれば、“DJI RS2(RSC2)” と言っておきます。まぁ、私の今の主力機がRS2(RSC2)だから!ですね。(これを買っとけば間違いない… と言ってもいいレベル)
いくつか理由を挙げると、
・積載能力の高さ
・クリアランスの広さ
・比較的小型軽量(分解も可能)
・保持力の高さ
・センサーのエラーが少ない
(このあたりの詳細はまた記事にします)
2)私がRS2(RSC2)を使う理由
それは、都市景観の撮影は “一切誤魔化しが利かないからRS2(RSC2)を使っている” という理由になります。
私は都市景観:ビル街・建造物・商業施設などを撮影しています。映像作例につきましては、私のYouTubeチャンネル:Takeru Tokyo Landscapeをご参照ください。
撮影時は主に超広角レンズを使い、パンフォーカスで画面の隅々までくっきり映るように撮影しています。前述した通り、水平垂直がはっきり出る都市景観を撮りますので、画面の隅々までよくアラが見えてしまいます。そのため、ごく僅かなブレや微振動が露骨に目立ってしまいますので、一切誤魔化しが利かないんですね。
後編集によるソフトウェアスタビライザーという手もありますが、これはまだまだ映像を効果的にスタビライズさせるには不十分ですし、撮影段階で適切にスタビライズさせておくことが良質な映像素材を得る意味でも重要になります。
というような理由でRS2(RSC2)を使っているまでですから、皆さんはご自身の用途に合っているであろうジンバルを是非探されてみてください。
これが、例えばポートレイト映像などで背景ボケを活かした撮影となれば、さほど気にすることなく撮影は可能です。元々背景がボケていますので、多少のブレは気にならないからです。(以下、YouTube参照。とは言え、極力ブレないように撮影していますが…)
そういった話で行くと、ジンバルで精緻なカメラワークに取り組みたい方にはオススメなジンバルですし、私も主力機として使っていますのでジンバル講習においても事細かなインストラクションが可能です。
3)とはいえ完璧なジンバルとは言えない
ここまで書くと、まるでRS2(RSC2)が理想的なジンバルかのように思えてきますが、実はジンバルとしては完璧とはほど遠いレベルでしかありません。
まず、致命的な問題として、
・水平が狂ってしまう
・ドリフトする
・ロール軸の挙動が不安定
・走りながらのフォローモードが不安定
・再現性に信頼性がない
(このあたりの詳細はまた記事にします)
などの問題があり、私の求めているジンバルの基本性能としてはまだまだ課題が多いのです。ジンバルを使う以上はこういった問題とも上手く付き合っていくしかなく、決して避けては通れないんですね。
ジンバルは、使えば使うほどとても面倒なシロモノだなぁと思うことでしょう。それでもなお、その先に自分の求める映像の世界があるからこそ、私はジンバル撮影が好きですし、ひたすらジンバル映像を撮り続けています。
本気でジンバル撮影に取り組みたい方にこそ、ご自身にピッタリのジンバルを見つけてもらい、思う存分自分の映像を極めていって欲しいと思いますね。
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撮影・執筆者

ジンバル撮影/指導/講師
豊富な実践経験から得たブレのないジンバル撮影テクニックを独自の理論に落とし込み、専門家ならではの視点でジンバルの正しい使い方を指導しています。2019年より自らが主宰するジンバル講習は日本で唯一。
講師業の傍ら、ジンバルで捉えた映像素材・ストック動画を撮影中。撮影対象は、主に都市景観:ビル街・建造物・商業施設など。詳しくは、映像素材・ストック動画のページをご参照ください。
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