Nikon Z9の気になる動画性能(1)4K UHD/120p 動画でも画面クロップ無しで撮影できる
ついに!『Nikon Z9』が発表となりましたね。
先日もZ9の動画性能についてツイートしましたが、ここでもう一度気になる動画性能のまとめと、ジンバル運用上の懸念点についても合わせて所感を述べたいと思います。
Nikon Z9 注目の動画性能
1)4K UHD/120p 動画でも画面クロップ無しで撮影できる
2)ローリングシャッターゆがみを世界最小に抑え、メカシャッターレスを実現。
3)縦横 4 軸チルト式の画像モニターを搭載し、縦位置、横位置問わずハイアングルおよびローアングル撮影の高い操作性を実現。
4)8K を超えるオーバー8K/60p を含む 12bitRAW 動画のカメラ内記録機能の搭載
5)効率のよい放熱設計により、8K UHD/30p で世界最長約 125 分の動画がカメラボディー内のメモリーカードに記録可能。
※動画性能とは直接関係ないですが(6)ジンバル運用上の懸念点も。
私の語りたいことは上記6項目ありますが、今回は(1)について書き記しておきます。
1)4K UHD/120p 動画でも画面クロップ無しで撮影できる
私がNikon Z9の発表で最も喜んでいることを第一に挙げるとしたら、ついにNikonが『ノンクロップを達成してくれたこと』これに尽きます。Z6II, Z7IIの4K60pはクロップ倍率こそ違うものの、残念ながらクロップされてしまいました。ではなぜクロップされると残念なのか?を簡単に説明してみたいと思います。
クロップファクター = ブレの顕在化
私はジンバルを使った移動映像を撮影する関係で、ブレに対して非常にシビアな目になってしまうのですが、実はその『ブレ』がクロップされることによって増幅されてしまうのですね。
例えば、Z6IIの4K60pはクロップ倍率が約1.5倍あり、大幅にクロップされてしまうことによってカメラワークのバリエーションには妥協が必要になります。ハードなカメラワークであったり、特に私の好きな走り撮りでは残念ながらブレが抑えきれませんでした。
これに対し、Z7IIの4K60pはクロップ倍率が約1.08倍で、一見ブレには影響なさそうに思えたのですが、こちらも残念ながらブレを抑え込むには至りませんでした。
Z6II, Z7IIの4K60p共に自分で何度もテストしましたが、どの程度のブレ量なのかはお見せできないのが残念です。(YouTubeにはアップしてありませんので…)
ちなみに、Z6II, Z7IIの4K30pでは試していませんが、恐らくノンクロップなのでブレないとは思います。私の持っているZ6の4K30pは走ってもブレませんので、参考までに以下の動画をご覧ください。
とはいえ、こんな撮影をする人はそう多くは居ないでしょうから、針小棒大に捉え過ぎじゃないか?と思われる方も居られるかと思います。
一つ言えることは、ほんの僅かなクロップであってもブレの要因になるクロップファクターはジンバル撮影において悪であるとしか言えません。その点を完璧にクリアしてきたZ9開発陣は、私のそんな想いを知ってか知らずかノンクロップを達成してくれました。まぁそもそも、レンズ本来の画角で撮れることが何より大事であると解っているハズですしね。
というわけでいろいろ書いてきましたが、クロップファクターは何もNikonに固有のものではなく、他メーカーのカメラもクロップファクターは存在しますので、全く同様のことが言えます。
私の知りうる限りの話をすると、SONY α6500, α6600, FUJIFILM X-H1などの4K30pはクロップファクターがあり、あまりハードなカメラワークはできませんでした。(前述した通りカメラワークを妥協せざるを得ない)PanasonicのGH5の4K60pはクロップファクターこそありませんでしたが、走り撮り時にブレが大きく私の撮影には不向きと判断し売却したという経緯があります。
ジンバル適性の高いカメラとそうでないカメラがあるのは事実で、私の手元にあるNikon Z6とSONY FX3が最もジンバル撮影に適したカメラだと思っているのはそういうこともありますね。
次回は(2)ローリングシャッターゆがみを世界最小に抑え、メカシャッターレスを実現。について書きたいと思います。
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撮影・執筆者

ジンバル撮影/指導/講師
豊富な実践経験から得たブレのないジンバル撮影テクニックを独自の理論に落とし込み、専門家ならではの視点でジンバルの正しい使い方を指導しています。2019年より自らが主宰するジンバル講習は日本で唯一。
講師業の傍ら、ジンバルで捉えた映像素材・ストック動画を撮影中。撮影対象は、主に都市景観:ビル街・建造物・商業施設など。詳しくは、映像素材・ストック動画のページをご参照ください。
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